医療の現場からレポート⑨

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

緊急事態宣言解除

4月に出された緊急事態宣言が5月末に解除されました。

後から振り返れば、「ああすれば良かった。」「こうすべきだった。」という批判はいくらでも出来ますが、感染拡大防止のためにそれぞれが出来ることを実行し続けたことが結果として出たことは事実だと思います。

反省をして今後の対策に活かすことは大切ですが、情報の少ない中を手探りで頑張ったことについては各々が評価されて良いと思います。

かといって、緊急事態宣言が解除されたからもう大丈夫だ!と安心して羽を伸ばせるわけではないことも事実です。実際に北九州では感染者数が拡大していますし、都内でも決して楽観視出来る状況ではありません。

引き続き感染拡大防止のために各自が注意をして過ごす必要はあります。

3月中旬以降は長距離異動による感染拡大防止のため都内の自宅に戻っていない状況が続いておりましたが、私個人の出来る対策として引き続き北本での生活を続けることとします。

解除されたけど不安はたくさん

目に見えないウイルスが相手ですから、いつ自分が感染するか、自分が感染を拡大させるかという不安は常に付きまといます。

また、営業自粛やイベント中止などにより収入がなくなる、営業を再開しても収入は激減していることによって、経済的な不安が常に付きまといます。

在宅勤務になったり、在宅と出勤を組み合わせた勤務になって、生活リズムが変わることも大きなストレスとなります。

学校が休校になったり分散登校になったり、部活や大会も中止になったり、勉強も思うように出来なかったり、目標設定が難しい状況になっています。

実業団やプロのスポーツ選手であっても、大会が中止になって、目標が見えない、自分達の将来が不透明であることの不安を強く持っている方が増えています。

我々医療従事者も、経済的な不安に直面しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で医療収入が大きく下がっている病院は多く、これまで通りの給与を維持出来ないところも増えています。

出口が見えない中で出来ることは?

新型コロナウイルス感染の影響は今後も我々の生活に大きく出続けるものと考えられます。

これをやったら解決出来ます!という絶対的な答えはないですから。

前向きに頑張ろうとエネルギーを解放して積極的に動いている方、その日その日をどうにか乗り切っている方、調子を崩して休養せざるを得ない方、それぞれの過ごし方があって良いと考えています。

私がしなければならないことはまず、診療を継続することです。そのためには長距離の移動を避け、診療以外での人との接触を避け、体力を維持するために運動をし、食事をしっかり摂り、睡眠も出来るだけ確保して、ウイルス感染症の発症、拡大を防ぎます。

その一方で、メンタルについて記事や動画の発信、zoomお悩み共有、相談ルームの開催などにも取り組んでいく予定です。

何事についてもモチベーションを保つのがきついな、逃げたいな、辞めたいな、と思うことが私自身も正直なところあります。

ですから、皆さんに発信してお伝えしていることは私自身に強く言い聞かせていることでもあります。

医療の現場からレポート③

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

地域精神科医療の窓口として

2011年4月に北本心ノ診療所を開院しました。私が開業医の道に進むと決めた時、開業の柱を2つ決めました。

1つは、心の運動療法家の活動にもつながっていますが、「アスリートのメンタルケアをする」ことです。

そしてもう1つは、「地域精神科医療の窓口として機能する」ことです。

私は精神科医になってから、大学病院、民間の精神科病院、精神科救急専門病院、公的病院、精神科クリニックに勤務してきました。

地域の精神科医療の流れを考えた時に、まず窓口となるのが精神科クリニックです。クリニックでの対応が難しい、入院が必要、といった場合に患者さんの病状に応じて適切な医療機関に紹介され、治療を受けて、また地域の精神科クリニックに戻って来る。この流れがスムーズであるためには、窓口である精神科クリニックが役割を果たすことが大切だと感じました。

理想と現実の違いに悩むこともあります。「地域医療の窓口としての役割を充分果たしています!」と豪語出来るほどではないとしても、地域精神科医療の流れをスムーズにすることもある程度は出来ているのではないかと自負しています。

開業した後も北本市やその周辺での相談業務などを非常勤で行っていることもあり、開業してから9年の間で、診療所が地域精神科医療の窓口として認知されてきたと感じることが多いです。

窓口に立ってばかりいると見えないこと

地域精神科医療の窓口として診療所での診療を続けて行く中で、窓口を通過してからの精神科医療の流れが見えにくくなって来たことにふと気付きました。

診療所以外の病院にも勤務経験があり、地域精神科医療の流れは一通り理解したつもりですが、その流れは常に一定ではありません。私が理解しているのは古い流れのままで、しかもどれだけ正確に覚えているつもりでも記憶は風化します。今の地域精神科医療の流れ全体を把握するためには、診療所での診療だけではダメだと思うようになりました。

そのために、現在私は月に何度か、入院施設のある複数の精神科病院での当直業務を日曜や祝日に行っています。

診療所で週5日診療をして、1日は地域の相談業務や都内での面談を行い、残りの1日で当直をするので月の休みはほとんどなくなってしまいますが・・・

忙しくて大変だと思うことはありますが、入院施設のある精神科病院での当直によって入院治療の現状を把握することが出来るのは、その大変さを充分に補うものと感じています。

診療所での診療は続けつつ、調子を崩さない範囲で当直業務にも参加したいと思います。

新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染は収束するどころか、依然として感染拡大が続いています。

病院がクラスターになる事例も多く、「精神科だから感染症関係ないでしょ?」なんてことはなくて、皆対策に神経を使っています。

私たち医療関係者から拡大する可能性、また患者さんの新規入院、外出や外泊、外来通院、ご家族の面会からウイルス感染が広がる可能性を考えないといけません。

どこまで対策をすれば良いのか手探りの部分は多々ありますが、情報収集をしながらより適した対応が出来るように心がけています。

また、私は精神科医ですが、休日当番医として内科系の疾患も診察することがあります。差配する立場ではないので個人的な意見ですが・・・地域での医師の配置を考えると、新型コロナウイルス感染症の治療に対応す専門病院を作り、開業医も含めて地域の医師が交代で勤務し、私もそこに関わっていく必要が出てくるのかもしれません。

もちろん、精神科医が感染症の治療に急に関わっても足手まといなので、しっかり研修を受けつつ。

体力を落とさないようにしながら、今後のことを考えていきます。

医療の現場からレポート①

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

新型コロナウイルス感染対策

現在、新型コロナウイルス感染拡大によって世界中の人々の生活に大きな影響が出ています。

私は感染症の専門家ではないのであまり詳しくは述べませんが・・・新型コロナウイルスの特徴として、感染力が強いけど多くの方が無症状または軽症で済む一方で、重症化すると急速に症状が悪化することがあるようです。

軽症、という言葉で誤解をされることが多いのですが、「大したことがない」という意味ではなく、「入院するまでの症状ではない」という意味です。入院は必要ないけど苦しい、ツラいというものも「軽症」に含まれます。

自分は感染して無症状だったとしても、周囲にウイルスを撒いて感染を拡げてしまい、感染させた相手が重症になり命を落とす、ということも充分にあります。

「感染するのは自己責任だから、飲み会にも行くし外出自粛なんて関係ない。」と考える方もいますが、自分が感染するのは自己責任としても、周囲の人を巻き込む危険があるのは自己責任では済まされません。周囲に致命的な影響を与える可能性もあると自覚したいですね。

「あなたのところは精神科だから感染症は無関係だろう?」と思われることもありますが、やはり私のいる診療所でも影響は出ています。

私を含めた診療所の人間が感染したら、一定期間診療所を閉めないといけません。ですから、皆感染対策に神経を使っています。院内の消毒や換気についても再度スタッフとルール決めをしました。

私は自宅が都内にあり、通勤には電車を使って片道約1時間20分かかります。都内から埼玉に向かうので、最初は満員でも段々空いてくるのですが、それでも通勤電車に乗って長距離を移動することは、感染のリスクを高めてしまいます。

なので、3月中旬以降私は診療所に寝泊まりして自宅には帰っていません。

実行している対策を細かく挙げたらきりがないのでこれだけにしておきますが・・・

毎日60人の診察をしている私が発症したら、患者さんへの影響が大きいので引き続き気を付けたいと思います。

これを機に、「風邪ごときで仕事休んでるんじゃねえ!」という風潮が改まり、「風邪もウイルス感染で人にうつしちゃう危険があるよね。みんな風邪を引いたら休みましょう。」となれば良いのですが・・・現実は((+_+))

オンライン診療を活用したい

今は診療所内の感染対策をしつつ、患者さんには来院して頂き対面で診察をしています。

他の科でもそうでしょうけど、精神科でも対面で話しをすることで得られるものはとても大きく、対面での診療が一番だと考えています。

精神科医は、言葉そのものだけでなく、ちょっとした仕草や表情の変化などから病状を読み取ることが多いです。

患者さんの中にも、直接会うことで安心感を持って話せるという方は多くいらっしゃいます。

とはいっても、今は新型コロナウイルス感染が怖くて外に出られない、人が集まる病院には行きづらいという方もいらっしゃいます。また、私もそうでしたけど、うつ状態がひどい時には病院に行くだけのエネルギーがなくて通うことが出来ない場合もあります。

そこで、オンライン診療(遠隔診療)が大活躍!となるはずですが・・・今のところそこまで広まっている気配はないですよね。私のところでも現時点でまだ導入していないのですが。

これは私の個人的な意見で、多くの医師の意見を代表しているわけではないですが、遠隔診療を導入して運用する労力に見合った診療報酬が設定されていないのかな、と感じます。精神療法をしっかり(何をもってしっかりというのかは難しいですが)やったら通院精神療法のようなものが算定できるといいのかな?と。

話しは脱線しますが、依存症治療の一環として自助グループのような集団療法が有用なのですが、これをやっている場所は限られています。私のところでも導入できていません。大勢の人が集まる場所を持っていて、そのための人員を確保して、一堂に会して、というだけの余裕がないので導入していないだけなのですが、これがオンラインで出来たらいいなと感じています。

今後もウイルス感染症の問題は起こると思います。そうすると密閉された空間に人が集まるのは難しくなり、集団療法がそのために出来なくなることは依存症治療に大きなマイナスになると考えています。オンラインで定期的に開催できると、多くの施設で導入しやすいなと感じます。これも診療報酬がどうなるのか、という問題はありますけど。

さらに脱線しますが(まとまりなくて申し訳ありません・・・)、講演会などのイベントが中止になっていますが、私の講演会も例外ではなく、現時点ではすべてが延期、中止になっています。

私の講演を聞きたい方がいるかはさておき・・・今後はオンラインで配信できるといいなぁ、と願望を述べておきます。

今こそ運動を!

新型コロナウイルス感染拡大の影響で精神的に調子を崩す方も多くなっていますね。

可能性は低いと分かりつつも、ちょっと頭痛がする、痰が絡むなどの体の異変があると「新型コロナに感染したのではないか?」という強い不安が頭から消えず仕事が手につかない。

手にウイルスがついている気がして、何十回も手洗いをして手が荒れて痛いけど、それでも手洗いを延々と続ける。

自分は我慢しているのに楽しそうにSNSに投稿している人を見ると、その危機意識の低さに腹が立って許せなくてきつく注意をしてしまう。

そんな話しがあちこちから聞こえてきます。

以前、新型インフルエンザが国内で流行した時にはここまでの騒ぎにならず自然と収束していきましたし、SARSなどは対岸の火事という方が多かったのですが、新型コロナウイルスは我々の生活に大きな影響を及ぼしています。

ですから、不安になったり、イライラしてストレスを感じるのも当然かと思います。

何をするにも自粛自粛で、ちょっと目立つことをすると(悪いことをしていなくても)袋叩きに遭うので、余計に神経質になりますよね。

以前から「心の運動療法家」を名乗り、心の健康維持や健康回復には運動が良いと伝えていた私ですから、「今こそ運動をしましょう!!!」と主張しています。

かといって、大勢で集まって球技をするとか、集団でランニングをするとウイルス感染拡大を助けてしまいます。ジムでの感染拡大もニュースになってしまいましたね。

私はランニングを継続していますが、人の多い練習場所を避けて、ほとんど人通りのない場所で一人走っています。また、室内で出来る筋トレ動画が今はたくさんあります。筋トレ動画は楽しみながら出来る(でも結構追い込みますが)ものが多くて、飽きませんよ。

100%の完璧な対策はないですし、一人だから安全だなどとエラそうには言えません。安全に相当の配慮をしてスポーツ指導を実施している方もたくさん知っています。

何が正しいか、絶対的な基準はないです。人によっては、その内容によっては、運動することで免疫力が大きく低下して、逆に発症しやすくなりますからね。

運動することのメリットとデメリットを考えつつ、メリットが大きく上回ると感じる方法を選んでいます。

長くなりましたが、日々の臨床をしていて感じることを「医療の現場からレポート」と題して今後も発信していきます。

最後までお読みいただきありがとうございました!