医療の現場からレポート⑬

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神かクリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

新型コロナウイルスの影響はまだ続く

前回のレポートで、自律神経症状が出てしまったことをお伝えしました。

その後、自律神経症状はおかげさまで小康状態となり普通に生活しておりますが、急に出てくるのでまだまだ油断しないでおきます。

新型コロナウイルス感染拡大がようやく落ち着いたと思ったらまた感染者数が増えており、まだまだこちらも油断出来ませんね。

重症者の数は決して多くないようですが、このまま感染拡大が起これば重症者が増えます。

精神科医ですが内科系の休日当番やPCRの検体採取もやっているので、感染拡大を助長しないよう気をつけます。

北本で寝泊まりするようになってまもなく4ヶ月ですが、自宅に戻るのは引き続き難しそうですね。
てか、戻れる日が来るのか?!

対面での運動講座開催は当面難しい

それはさておき。

当院ではヨガとランニングの運動講座を開催しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大にともない休止しております。

今の状況を見る限り、再開の目処が立てられません。

運動講座の代わりに、と言えるのかは分かりませんが…一緒に運動出来ないので、運動について解説した用紙を、希望する方には配布しています。

何としても運動をしてほしい方にはこちらから押し付けたりしていますが(笑)

YouTubeでの解説動画もQRコード化しております。

医療の現場からレポート⑫

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

新型コロナウイルスとの共存

緊急事態宣言が解除され、その後に発出された東京アラートも解除され、休業要請も緩和され、徐々に通常の生活に戻りつつある方も増えているかと思いますが、東京での感染者数がここに来て増えており、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

感染者数がゼロになるということは考えにくい(ゼロになったとしても一時的なものと思われます)ので、「ウィズコロナ」という言葉が示すように、新型コロナウイルスとどう共存していくかを考えていく方向に向かっていますね。

何でもかんでも自粛、規制、だけでは我々は生活できなくなるので、感染拡大リスクを減らしつつ活動をということで、再開の基準が設けられてそれに沿って動き出しつつあります。

とはいっても、明確には決められないことが多いので不安に感じたりイライラしやすくなりますよね。

メンタル不調の方が増えています

そんな先の見えない閉塞感、不安、イライラ、活動量の低下や生活リズムの乱れが引き金となって、精神的に調子を崩す方が増えています。

この状況で心穏やかに過ごせる人はまずいないでしょうが、やはり心身へのダメージは大きいですよね。

緊急事態宣言が出て間もない時期だったかと思いますが、「自殺者の数が減った」という報道がありました。危機的状況が起きると、すぐに沈んでしまう反応を起こす場合と、最初は逆に元気になって活発になる反応を起こす場合があります。元気な状態が長く続けばよいのですが、知らず知らず無理をしている状態なのでどこかで沈んでしまいます。

私たち精神科医は改めて気を引き締めて治療に向き合わないといけませんね。

とはいってもダメージは他人事ではない

そんなことを考えて気を引き締めていたのですが、私自身が自律神経の乱れで若干失速しました。

まず最初は首に原因不明の湿疹が出て広がり、かゆみの影響で眠れなくなりました。

その後数日して、急に激しい動悸や大量の発汗、吐き気、倦怠感、筋肉痛などの症状が一気に噴き出してきました。

いずれも数日のうちに落ち着いたのですが、知らず知らず私も無理をしているのだなと感じました。

3カ月半ほど自宅に戻っていないですし、通勤時間往復3時間がなくなって時間が出来たからと今まで以上に活動をしていたように思います。

他にもストレス因子はありますが、減らせるストレスは減らすことを再度心がけて、メンタルを強くする運動をして、しっかり食べて寝るようにします。

医療の現場からレポート⑪

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

久しぶりに髪の毛を切ってもらいました!

昨年12月に髪の毛を切ってもらって(時間がないので1000円カットで)、今年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大のリスクを減らすため自分で髪の毛を切っておりました。

美容室、理容室がダメだというのではなく、あくまでも私の自己判断での行動です。

自分で雑にやっているのでガタガタになっていましたし、後ろは特に見えないのでめちゃくちゃで、とにかくうっとうしい長さにならなければいいや!という感覚で切っておりました。

床に髪の毛をまき散らさないように注意して、掃除機もかけたのですが・・・スタッフから「床に髪の毛が散乱している!」と指摘され(笑)。自分の掃除の甘さを反省しました・・・。

今回、非常勤の仕事で電車に乗って移動することとなり、途中駅で時間があったので1000円カットのお店の前を通ったところ、誰もいない!!

急いで入って、7カ月ぶりに自分以外の方に髪の毛を切って頂くことが出来ました。

だいぶ疲れた顔ですね・・

自宅にはまだ帰っておりません

自宅が都内にあり通勤時間が長いため、感染拡大リスクを減らすために北本にて寝泊まりをするようになって3カ月が経過しました。

先ほどと同様、電車に絶対乗ってはいけないというのではなく、あくまでも私の自己判断での行動です。

比較的体力がある私はウイルス感染をしても無症状もしくは軽症で済んでしまうかもしれませんが、私と接触をした方は感染すると重症化するかもしれません。命を落とすかもしれません。

また、私が感染していることが分かれば、診療がストップしてしまい非常に多くの方に迷惑が掛かります。

私がこうしているから皆もこうしなきゃいけない!と私の行動を皆さんに押し付けるつもりはありません。

繰り返しますが、あくまでも私の自己判断での自主規制です。

どこまで規制したらいいのか、正解はないですし終わりもないので迷いますね。

迷って考えが煮詰まった時には、ランニングをして切り替えています。現実逃避、とも言いますが(笑)

2年前の写真

医療の現場からレポート⑩

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

新型コロナ禍で自律神経失調症に?

新型コロナウイルス感染症感染拡大により発出されていた緊急事態宣言が5月末に解除されましたが、都内などで感染者数が増え、「東京アラート」という言葉がニュースになっていますね。

まだまだ新型コロナウイルス感染には注意をして生活をする必要がありそうです。

そんな中で、「うつ、自律神経失調症の方が増えている。」というニュースを目にしました。

「うつ」については、「気分が落ち込んで憂うつで、何もやる気が出なくて眠れないし食欲もなくて・・・・。」と何となくイメージできる方が多いのですが、「自律神経失調症って何?」というと分かったような分かっていないような、そんな方が多いように思います。

そもそも自律神経って何?

自律神経って一つの独立した神経のように思っていませんか?

自律神経は、「活動する時に活発になる交感神経」と「安静時に活発になる副交感神経」で構成されています。つまり、単一の神経ではないのです。

呼吸、血液の循環、体温調節、消化、排せつ、免疫など全身の機能を調節するために24時間働いています。

交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで我々の体は保たれるのですが、自律神経失調症ではこのバランスが崩れています。

自律神経失調症の症状は?

ふらつき、動悸、発汗、息苦しさ、のぼせ、冷え、頭痛、耳鳴り、便秘、下痢、生理不順、吐き気、胃痛、頻尿・・・・・

症状を挙げるときりがなくなってしまいますが、全身の器官をコントロールしているので人によって様々な症状が現れます。

ついでに言うと、「自律神経失調症」は一つの疾患名というよりは、「交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態となって起きる症状」の集まりのことです。

不規則な生活、新型コロナ禍のような大きなストレスがきっかけで一過性に起こる場合と、うつ病やパニック障害などの症状の一つとして起きる場合などがあります。

私たちが出来る対策は?

うつ病やパニック障害の症状として起きる場合は、その治療をすると自然に治まることも多いです。薬を飲んだり、カウンセリングを受けたり、動けそうなら少しずつ運動もしたり。

新型コロナ禍のような大きなストレスが原因の場合、中々避けるのが難しいですよね。前もって準備のしようがないですし、ストレスから逃れることも不可能ですから。

予防するためには極力規則正しい生活をして、しっかり運動をしましょう!

結局運動って言いたいだけだろうって?

バレましたか・・・

室内で出来る運動をぜひ一緒にやりましょう!

医療の現場からレポート⑨

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

緊急事態宣言解除

4月に出された緊急事態宣言が5月末に解除されました。

後から振り返れば、「ああすれば良かった。」「こうすべきだった。」という批判はいくらでも出来ますが、感染拡大防止のためにそれぞれが出来ることを実行し続けたことが結果として出たことは事実だと思います。

反省をして今後の対策に活かすことは大切ですが、情報の少ない中を手探りで頑張ったことについては各々が評価されて良いと思います。

かといって、緊急事態宣言が解除されたからもう大丈夫だ!と安心して羽を伸ばせるわけではないことも事実です。実際に北九州では感染者数が拡大していますし、都内でも決して楽観視出来る状況ではありません。

引き続き感染拡大防止のために各自が注意をして過ごす必要はあります。

3月中旬以降は長距離異動による感染拡大防止のため都内の自宅に戻っていない状況が続いておりましたが、私個人の出来る対策として引き続き北本での生活を続けることとします。

解除されたけど不安はたくさん

目に見えないウイルスが相手ですから、いつ自分が感染するか、自分が感染を拡大させるかという不安は常に付きまといます。

また、営業自粛やイベント中止などにより収入がなくなる、営業を再開しても収入は激減していることによって、経済的な不安が常に付きまといます。

在宅勤務になったり、在宅と出勤を組み合わせた勤務になって、生活リズムが変わることも大きなストレスとなります。

学校が休校になったり分散登校になったり、部活や大会も中止になったり、勉強も思うように出来なかったり、目標設定が難しい状況になっています。

実業団やプロのスポーツ選手であっても、大会が中止になって、目標が見えない、自分達の将来が不透明であることの不安を強く持っている方が増えています。

我々医療従事者も、経済的な不安に直面しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で医療収入が大きく下がっている病院は多く、これまで通りの給与を維持出来ないところも増えています。

出口が見えない中で出来ることは?

新型コロナウイルス感染の影響は今後も我々の生活に大きく出続けるものと考えられます。

これをやったら解決出来ます!という絶対的な答えはないですから。

前向きに頑張ろうとエネルギーを解放して積極的に動いている方、その日その日をどうにか乗り切っている方、調子を崩して休養せざるを得ない方、それぞれの過ごし方があって良いと考えています。

私がしなければならないことはまず、診療を継続することです。そのためには長距離の移動を避け、診療以外での人との接触を避け、体力を維持するために運動をし、食事をしっかり摂り、睡眠も出来るだけ確保して、ウイルス感染症の発症、拡大を防ぎます。

その一方で、メンタルについて記事や動画の発信、zoomお悩み共有、相談ルームの開催などにも取り組んでいく予定です。

何事についてもモチベーションを保つのがきついな、逃げたいな、辞めたいな、と思うことが私自身も正直なところあります。

ですから、皆さんに発信してお伝えしていることは私自身に強く言い聞かせていることでもあります。

医療の現場からレポート⑧

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

SNSでの誹謗中傷について

匿名のアカウントからSNSで他人を誹謗中傷する問題について、ネットやテレビなどで特にここ数日議論になっていますね。

SNS上でも対面であっても、誹謗中傷する側にはそこまでの悪意がない、そして自分の言葉が相手を傷つけることについて無頓着であることが多いです。

相手のことを許せないと思って、怒っただけ。

でも、相手だって悪い奴なのだから、何を言っても(しても)文句を言われる筋合いはない。

嫌だと思っても、いちいち気にしないでスルーすれば良いじゃないか。気にするということはやましいことがあるからだ。

誹謗中傷する側の意見として見かけたことがある言葉を一部並べてみました。

誹謗中傷するのは人としてやってはいけないことだ。厳罰化すべきだ。そういう意見がテレビでもネット上でも多い気がします。

もちろん、どんな理由があっても他人を誹謗中傷することなどやってはいけないことですし、悪質なものには罰則が設けられることにも賛成しています。

誹謗中傷は特別な人間だけがすること?

ただ、誹謗中傷することを他人事ととらえている人が多いことにも違和感があります。

他人を誹謗中傷することって本当に自分には無関係なことなのでしょうか?

ツラい時、苦しい時、当たれる相手についつい八つ当たりをしてしまったことはないですか?

相手を怒る時に、思わず強い口調で相手を否定するようなことを言ったことはありませんか?

自分としては何気なく出てしまった言葉かもしれないです。私だってツラかったのだからそれに免じて許してくれたって良いじゃない、と思うかもしれません。

それをいうなら、相手だって私のことを理解してくれなかったのだから。私にそれくらい言わせて欲しい、と思うかもしれません。

怒らせたのは相手の方でしょう?と思うかもしれません。

でも、言われた相手の心には深い傷として刻み込まれて、ずっと残ることはあります。

言ってしばらくしてから相手が傷ついたことを知り、そんなつもりはなかったのに、と後悔しても取り戻せません。

何を勝手に傷ついているの?と腹立たしくなるかもしれませんが、相手を傷つけたことは事実として残ります。

私も含めて、誰もが誹謗中傷を行う可能性はあり、それに対しての責任を問われてもおかしくない立場だと認識しないといけません。

自分だけはそんなことをしない。その思い込みがある限りは誹謗中傷が簡単に起きてしまうように感じます。

気をつけていたらキリがないけど…

実際、私にも「言いすぎた。」と後悔したことはいくつもあります。「本当にこんなことを言う必要があるのかな?」と迷い悩むことは今でも沢山あります。

診療の時もそうです。患者さんの希望に沿えない、厳しい対応をしないといけない、そのような時にもやはり迷いがあります。

私の言動によって相手は傷つき、私の言動のせいで自傷行為をしたり、命を絶つ可能性もある。それでもその言動は必要なのか?もし責任を取れと相手やその家族から訴えられた時、慌てふためいたり後悔したりしないのか?

そう自分に問いかけてから、伝えるようにしています。

それだけよく考えてから伝えても、暴言を吐かれた、傷ついたと受け取る側がとらえることは当然あります。

ですから、伝えた後にも、「本当にあの言動は必要だったと思えるのか?」「どんな結果になっても責任を取れる、その覚悟はあるのか?」と自分に問いかけています。

そんなこと気を付けていたらキリがないし何も言えなくなるよ、と窮屈に思う方もいるでしょう。

確かにキリがないし、誰も傷つけない言葉を常に使うのは不可能なことではあるのですが、難しいからこそ自分の言葉の重さは強く自覚しておこうと私は思っています。

医療の現場からレポート⑥

医療の現場からレポート⑥

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

緊急事態には本性が見える?

私のところに通院をしている患者さんの中には、精神疾患であることをオープンにして障がい者枠で一般企業に勤めている方が少なからずおられます。

そのうちの何人かの方がおっしゃったお話しに、とても引っかかるものがありました。

それは・・・

「今まで精神疾患であることに配慮して優しく接していた方が、新型コロナウイルス感染でバタバタしだしてから急に強く当たってくるようになって。忙しい中で働いていて誰もが余裕はないですし、私は障がい者ということで皆さんと同じように働けず迷惑をかけている立場なので、申し訳ないという思いから何も言えません。ただ、こういう時に人間の本性が出るんだなと感じています。」

という内容です。

もちろん、誰もが経験したことのない状況で、仕事も含めて生活が大きく変わり、ストレスを強く感じて心に余裕がないのです。強く当たるようになった方を一方的に責めるのはおかしいですし、私の患者さんも責めるとか怒るような口調ではなく、「仕方ないですよね。」と困惑しながらも受け入れている様子でした。

声を上げられず我慢してため込み、調子を崩しやすい

この患者さん達はたまたま私に話しをすることが出来たので、少しは吐き出せた面があるかもしれません。

しかし、周りに気を遣って声を上げられず、悩みや不安、不満を抱え込んでしまう方は非常に多いことを感じます。

私自身を振り返ると、ツラくて泣き言を言いたくても、「声を上げることは恥ずかしい。」、「私ごときがツラいというなんて迷惑だ。」、などと考えて何も言えませんでした。

何も言えずに我慢して、不満を持って被害的になったり、我慢しすぎて潰れてしまったりしていました。

そういった方が少人数で集まり、自分の思いを吐き出して共有出来る場所があれば良いな、と考えて企画しました。

1つの部屋に集まるというのは新型コロナウイルス感染拡大のリスクがあるので出来ませんが、名前を出したくない方は匿名で、顔を出したくない方は顔を出さずに、オンラインでならより気軽に参加しやすいかと思いました。

あまり堅苦しくしたくなかったので参加費は無料として、「第1回zoomお悩み相談、共有ミーティングルーム」と名付けて5月10日18:30~1時間の設定で開催しました。

第1回zoomお悩み相談、共有ミーティングルーム開催

色んな背景を持つ方のお話しを聴きしたいところですが、あまりにもテーマが絞れないと参加者同士が共感しづらかったり、全体として話しがまとまらなかったりするので、今回は、対象者を「精神疾患をオープンにして働いている方」としました。

直前にTwitter、Facebookで告知をしたのですが、4人の方が参加を希望して下さいました。

新型コロナウイルス感染拡大による生活や病状の変化、仕事での悩み、現在の精神科治療に対して思うこと、というテーマでお話をして頂きました。

予定された1時間を過ぎてもまだまだお話を伺っていたいところでしたが、20時近くにもなったので終了としました。

私と1度も会ったことがない患者さんにも参加して頂き、短い時間ですが交流することが出来たのは私にとって非常に大きな経験でした。

大人数になると一人一人が話せる時間が短くなるので、1回5人以内、90分という形が良いのかなと思いました。

新型コロナウイルス感染症流行の影響で当面は自宅に帰れず、使える時間が比較的多いので、精神疾患の方を対象に今後もこのミーティングを開催し続けたいと思います。

オンラインミーティング用に自撮りライトとWebカメラを買ったことですし(笑)

医療の現場からレポート⑤

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

誰もが余裕のない状況

新型コロナウイルス感染症拡大が依然として続き、5月6日までの期間で出されている緊急事態宣言も1ヶ月程度延長される見込みです(令和2年5月2日時点)。

経済的にも精神的にも非常に苦しい状況が続きます。

新型コロナウイルス感染症については、感染しても無症状で経過する方が多い一方で、発症すると急激に重篤化し命を落とす方も少なからずおられます。高齢者や基礎疾患がある方が重篤化しやすいとされるものの、若い方でも新型コロナウイルス感染症で重篤化して命を落とす例もあり、若いから安心だとは断言出来ないですね。

症状はないけど自分が感染していると仮定して、自制をして行動することがやはり求められます。

とはいえ、いつまで続くのか分からない、いつ発症して重症化するのか分からない不安は大きなストレスです。

運動は積極的に

ストレスがかかり続けると免疫力は低下します。そうすると感染症にかかりやすくなることが知られています。また、活動量が落ちることも精神的な不調の原因となります。ですので、心身の健康維持や感染症発症予防のためには運動は積極的に行って良いと考えています。

その一方で、ランニングに関して気になるニュースやSNS上の議論を目にすることが多くなりました。

それは、マスクやBuffで口を覆って、ランニングエチケットを守りましょうというものです。ランニングをする時に吐く息が広く拡散して感染を拡大するため、感染防止の対策をして走りに行きましょうというものです。

山中伸弥教授がマスクやBuffの使用を「ランニング時のエチケット」として提唱したことで、着用が一気に広まりました。

これについて少し細かく考えてみました。

ランニングの際、感染拡大防止のために気を付けたいこと

色んな議論が巻き起こって収拾がつかないことも多いのですが、感染症の専門家の話しを聞くと、感染拡大防止のために一番大事なのは人と人との距離を充分に確保することです。Social Distanceという言葉も今回の新型コロナウイルス感染症の影響で広く知られるようになりましたね。

ランニングに関して言えば、一人で走るようにする、周りに人がいない場所や時間帯を選んで走る、ということがまず大事になります。誰もいない場所でずっと誰とも会わないまま走れるとしたら、マスクやBuffで口や鼻を覆う必要はないでしょう。

ただ、どうしても人のいる場所を通ってのランニングをするしかない場合、近い距離で人とすれ違わざるを得ない時にはマスクやBuffで口や鼻を覆う、さらにはその手前からスピードを落として息が荒くならないようにする、ということは必要かと思います。

歩行者とすれ違う、歩行者と追い越す場合、ランナーはスピードを上げていないつもりでも、至近距離で自転車とすれ違うような恐怖を歩行者に感じさせることがあります。それに感染拡大の恐怖も加わると、「ランニングは危ないから禁止して欲しい。」と言いたくなる人の気持ちも理解出来ます。

マスク、Buffがあれば大丈夫?

ここで気をつけないといけないのが、マスク、Buffをしてランニングをいるから安心、安全と油断してしまうことです。

ランニングをして濡れているマスクやBuffを、無意識のうちに手で触っていないでしょうか?もし自分が感染しているとしたら、汚染されたマスク、Buffを触った手も感染源となります。例えば手を洗わないまま自動販売機で飲物を買ったら、押しボタン式の信号機を押したら、また他人が触りそうなところを触れてしまったら、感染拡大を助長してしまいます。

Buffを外す時に汚染した部分が顔に触れて顔が汚染され、顔を触った手で・・・・これも感染拡大を助長しますね。

また、マスクやBuffをしているからSocial Distanceを気にしないで良いかというと、そうではなくてやはり他人と充分な距離を確保することは必要です。

現在北本にて生活している私は、走る時間が主に深夜ということもあり人とすれ違うことはあまりないです。とはいえ念のためにBuffをつけたまま走っているのですが。

これから気温上昇が続くと、マスクやBuffをつけたままランニングをして熱中症で倒れる方が増えるのではないかとも心配しています。マスクやBuffを何のために、どのようにつけて走るのが良いのかを考えながら、健康的に走りたいですね。

サングラスにBuffを装着するとこのような姿になり、これはこれで不安や恐怖の対象となりそうな気がします。。。

医療の現場からレポート③

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

地域精神科医療の窓口として

2011年4月に北本心ノ診療所を開院しました。私が開業医の道に進むと決めた時、開業の柱を2つ決めました。

1つは、心の運動療法家の活動にもつながっていますが、「アスリートのメンタルケアをする」ことです。

そしてもう1つは、「地域精神科医療の窓口として機能する」ことです。

私は精神科医になってから、大学病院、民間の精神科病院、精神科救急専門病院、公的病院、精神科クリニックに勤務してきました。

地域の精神科医療の流れを考えた時に、まず窓口となるのが精神科クリニックです。クリニックでの対応が難しい、入院が必要、といった場合に患者さんの病状に応じて適切な医療機関に紹介され、治療を受けて、また地域の精神科クリニックに戻って来る。この流れがスムーズであるためには、窓口である精神科クリニックが役割を果たすことが大切だと感じました。

理想と現実の違いに悩むこともあります。「地域医療の窓口としての役割を充分果たしています!」と豪語出来るほどではないとしても、地域精神科医療の流れをスムーズにすることもある程度は出来ているのではないかと自負しています。

開業した後も北本市やその周辺での相談業務などを非常勤で行っていることもあり、開業してから9年の間で、診療所が地域精神科医療の窓口として認知されてきたと感じることが多いです。

窓口に立ってばかりいると見えないこと

地域精神科医療の窓口として診療所での診療を続けて行く中で、窓口を通過してからの精神科医療の流れが見えにくくなって来たことにふと気付きました。

診療所以外の病院にも勤務経験があり、地域精神科医療の流れは一通り理解したつもりですが、その流れは常に一定ではありません。私が理解しているのは古い流れのままで、しかもどれだけ正確に覚えているつもりでも記憶は風化します。今の地域精神科医療の流れ全体を把握するためには、診療所での診療だけではダメだと思うようになりました。

そのために、現在私は月に何度か、入院施設のある複数の精神科病院での当直業務を日曜や祝日に行っています。

診療所で週5日診療をして、1日は地域の相談業務や都内での面談を行い、残りの1日で当直をするので月の休みはほとんどなくなってしまいますが・・・

忙しくて大変だと思うことはありますが、入院施設のある精神科病院での当直によって入院治療の現状を把握することが出来るのは、その大変さを充分に補うものと感じています。

診療所での診療は続けつつ、調子を崩さない範囲で当直業務にも参加したいと思います。

新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染は収束するどころか、依然として感染拡大が続いています。

病院がクラスターになる事例も多く、「精神科だから感染症関係ないでしょ?」なんてことはなくて、皆対策に神経を使っています。

私たち医療関係者から拡大する可能性、また患者さんの新規入院、外出や外泊、外来通院、ご家族の面会からウイルス感染が広がる可能性を考えないといけません。

どこまで対策をすれば良いのか手探りの部分は多々ありますが、情報収集をしながらより適した対応が出来るように心がけています。

また、私は精神科医ですが、休日当番医として内科系の疾患も診察することがあります。差配する立場ではないので個人的な意見ですが・・・地域での医師の配置を考えると、新型コロナウイルス感染症の治療に対応す専門病院を作り、開業医も含めて地域の医師が交代で勤務し、私もそこに関わっていく必要が出てくるのかもしれません。

もちろん、精神科医が感染症の治療に急に関わっても足手まといなので、しっかり研修を受けつつ。

体力を落とさないようにしながら、今後のことを考えていきます。

医療の現場からレポート②

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

オンライン診療の現状

2018年度からオンライン診療が保険診療として認められるようになり(様々な条件は付きますが)ました。2020年度からはオンライン診療を保険診療として行うための条件が緩和されてオンライン診療の普及に向けて政府が力を入れていることが伝わりますね。

それに加えて、新型コロナウイルス感染拡大に伴い通院が困難となる方が増えていることを鑑み、期間限定の対応ですが初診でもオンライン診療を保険診療として認める方針となりました。

オンライン診療では通院精神療法を算定することが認められていないという、精神科での課題は抱えたままでありますが。

オンライン診療を経験してみよう

先日、私はオンライン診療を試験的に取り入れてみました。

相手の方それぞれと事前にメールでのやり取りを繰り返して、すべて保険診療ではなく自由診療という形で実施しました。

時間にして60分ほど、初対面の方と画面越しに問診を行い、現在の病状や今後の治療方針について話しをしました。

私たち精神科医は患者さんの診察をする際に、話しの内容だけでなく、どのような口調や表情で話しをするか、どのような仕草をするかといったことも重要視します。

例えば、「元気だと言いつつも声に張りがない、伏し目がちになる、小刻みな動きが多くなる」、という場合には、元気だと言いつつも他に何か伝えたいことがあるのだなと理解し、さらに詳しく話しを聞きます。

言葉の裏にあるメッセージをオンライン診療では果たしてどの程度まで読み取れるのか?読み取れないのか?これが、今後オンライン診療で通院精神療法が算定出来るかどうかの1つの目安になるかもと勝手に考えています。

とにかく実際に体験してみないと話しが進まないので、手探りではありますが実施しました。

オンライン診療も活用出来そう!だけど・・・

パソコンだったりスマートフォンだったりの画面に向かって話しかけるので、私自身がぎこちない感じでした。また、実際に対面している時と違って、画面に向かうので口調も自然とは言えず、さらに機器の性能の限界で声が多少途切れたり、動きもやや滑らかさを欠いたりして、対面診療と同じように相手の状態を理解するのは難しいなと感じました。

それでも、話しているうちにお互いに自然な口調や表情変化になって言葉の裏にあるメッセージを読み取ることは出来ると感じました。

通院はしていないので「通院精神療法」の算定は無理としても、精神療法として算定出来るくらいの治療は提供可能だとは(個人的には)感じています。

ただ、普段は対面診療で毎日60人以上の診察をしていますが、オンライン診療で同じ人数を診ることが出来るのか、と考えた時に・・・。

うーん。どうも60人を診ているイメージがつかないんですよね。単に慣れていないから、というのもあるでしょうけど。

対面診療での診察のリズム、流れとあまりに違っていて、一連の流れが一人一人の診察の間で止まってしまうような。そんなぎこちなさがあります。

1日30人がオンライン診療で診れる人数の限界かな(今の私の能力では)、と思います。

まだオンライン診療の症例数が少ないので、今後経験を積んでいきます。

自宅に帰らず診療所内での生活が今後も長く続きそうですので・・運動もしながら頑張っていきます!