医療の現場からレポート⑫

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

新型コロナウイルスとの共存

緊急事態宣言が解除され、その後に発出された東京アラートも解除され、休業要請も緩和され、徐々に通常の生活に戻りつつある方も増えているかと思いますが、東京での感染者数がここに来て増えており、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

感染者数がゼロになるということは考えにくい(ゼロになったとしても一時的なものと思われます)ので、「ウィズコロナ」という言葉が示すように、新型コロナウイルスとどう共存していくかを考えていく方向に向かっていますね。

何でもかんでも自粛、規制、だけでは我々は生活できなくなるので、感染拡大リスクを減らしつつ活動をということで、再開の基準が設けられてそれに沿って動き出しつつあります。

とはいっても、明確には決められないことが多いので不安に感じたりイライラしやすくなりますよね。

メンタル不調の方が増えています

そんな先の見えない閉塞感、不安、イライラ、活動量の低下や生活リズムの乱れが引き金となって、精神的に調子を崩す方が増えています。

この状況で心穏やかに過ごせる人はまずいないでしょうが、やはり心身へのダメージは大きいですよね。

緊急事態宣言が出て間もない時期だったかと思いますが、「自殺者の数が減った」という報道がありました。危機的状況が起きると、すぐに沈んでしまう反応を起こす場合と、最初は逆に元気になって活発になる反応を起こす場合があります。元気な状態が長く続けばよいのですが、知らず知らず無理をしている状態なのでどこかで沈んでしまいます。

私たち精神科医は改めて気を引き締めて治療に向き合わないといけませんね。

とはいってもダメージは他人事ではない

そんなことを考えて気を引き締めていたのですが、私自身が自律神経の乱れで若干失速しました。

まず最初は首に原因不明の湿疹が出て広がり、かゆみの影響で眠れなくなりました。

その後数日して、急に激しい動悸や大量の発汗、吐き気、倦怠感、筋肉痛などの症状が一気に噴き出してきました。

いずれも数日のうちに落ち着いたのですが、知らず知らず私も無理をしているのだなと感じました。

3カ月半ほど自宅に戻っていないですし、通勤時間往復3時間がなくなって時間が出来たからと今まで以上に活動をしていたように思います。

他にもストレス因子はありますが、減らせるストレスは減らすことを再度心がけて、メンタルを強くする運動をして、しっかり食べて寝るようにします。

「うつ」のタイプ分けと対処法

前回お示しした、7つのタイプ分けとその対処方法について簡単にですが記載してみました。

①ヘビーストレス(ステップダウン)型

誰もがなり得る最も多いケースです。ストレスが徐々に積み重なって、誰が見ても耐えられそうもない重さとなって押しつぶされるケースです。

②まじめストイック型

やり出すと時間を忘れて集中し、完璧を目指すがゆえに、ふと躓いた時や大きなヤマを越えた時に燃え尽きてしまうケースです。

[対処方針]

①②の防止策は、ついついやり過ぎていないか、細やかにウォッチして声かけする役割を、上司だけでなく同僚も担うことです。もちろん自分でもやりすぎていないか注意をすることが必要ですが、なかなか自分でブレーキをかけることは難しいです。

1時間作業をしたら5分の休憩を必ず入れる、休日は30分運動の時間を作る、などストレス対策を具体的に組み込む必要があります。

③サドンダウン型

「え?あの人がうつに?」と言われるのがこのケースです。

もともとメンタルが強いと本人も周囲も自覚していて、周囲からは信頼され、その信頼に応えるよう本人は仕事を引き受けて、周りも頼みやすいので頼みすぎて、ある時急に潰れてしまう、そんなタイプです。①と似ていますが、徐々にうつになる①と比べて、予兆が見えず本人も周囲も気付きにくいので注意が必要です。

④ロンリー・トンガリー型

自我が強く、いつでも誰に対しても我が道を貫く、軋轢を恐れない強気姿勢で常にいたのに、その自我、自信がふとしたことで揺らいだ時に、一気にうつに突入してしまうケースです。

周りとのあつれきが大きく孤立してしまい、居心地の悪さや自分を分かってもらえないつらさから調子を崩します。

[対処方針]

③と④の防止策は、周囲が本人の価値観や行動パターンを認めつつ、うまく主張を他人に譲るようにさせたり、相手に合わせることができるようにその人のコミュニケーションをより柔軟なものに変えていくことが有効です。思考の柔軟さを出すには、ただ考え方を変えようと頑張るのではなく運動も取り入れるのが有効です。運動をして脳の神経のバランスを整えると、より柔軟に考えやすくなります。

⑤耐えて笑って型

相手を立てるがゆえに、全体の調和を守るために、いつも顔で笑って心で泣いて、自分を押し殺して、その先に受容限度を超えてある日ポキリと折れてしまうケースです。

[対処方針]

明るく社交的に振る舞っていてうつとは無縁なタイプのように見えますが、心の中ではストレスを溜め込んでいて、ふとした時に突然怒りっぽくなったり、愚痴を言い続けたりと豹変します。溜まったストレスをはき出す相手を持つ、相手がいない場合は運動して気持ちをリセットする時間を必ず作る、という「ストレスをはき出す場所」はしっかり確保しておきましょう。

⑥ドキドキ顔色うかがい型

不安が強くいつも緊張し、ちょっとしたことで落ち込みやすい性格で、相手の心理を必要以上に過敏に感じ取って、妄想レベルの想像をして不安に押しつぶされてしまうケースです。

[対処方針]

⑤は気配りが過ぎて知らないうちに我慢を重ねてしまっていて、⑥は小さなことが不安につながってしまっているので、リラックスできる時間を作るように、自分の存在に自信を持てるように、周囲の声かけや配慮が必要となります。自分で自信を持たせるためには一人で出来る運動を自分なりの目標を立てて継続してみると良いですね。

⑦ライトうつ型

嫌なこと、責任がかかることには過敏に反応して落ち込んで潰れやすい一方で、ストレスの少ない環境ではのびのびと元気に動ける、そんなタイプのうつです。「新型うつ」「現代型うつ」という名前で問題になったのがこのタイプですね。

一見、本当に調子が悪いのかどうか、周囲から判断するのが難しい場合もありえます。

「仕事では調子悪そうなのに遊ぶ時には元気だな。」、「休職中なのに旅行には行けるんだな。」と周囲から非難を受けやすいですね。

[対処方針]

他の6つの型と比べると、より重いうつになる前に本人が対処している、ブレーキをかけるタイミングを無意識に知っているとも言えます。その判断を理解しつつ、会社なりコミュニティなりで果たす役割を、様子を見ながら少しずつ増やして自信を与えていくことが大切です。重くなることを予防するためには運動を取り入れると良いですね。

1つのタイプだけに当てはまる方もいれば、複数のタイプを併せ持っている方もいるかと思います。私自身は、睡眠時間が平均3時間くらいで診療などをして、休診日にも非常勤で働きに出てあまり休まっていないので、①ヘビーストレス(ステップダウン)型に当てはまりますね。さらに、やり出すと時間を忘れて熱中するので②まじめストイック型にも当てはまります。また、ニコニコしてあまり自分のツラさを見せず、うつ病の症状が重い時でも「のんきそうだね。」と言われていたくらいですから、⑤耐えて笑って型にも当てはまります。人の顔色を気になって過剰に考えてしまうので⑥ドキドキ顔色うかがい型でもあります。

当てはまるものが多いほどうつに陥りやすいので、再発しないように気を付ける必要がありますね。

どれに当てはまるか、これを読んでいる皆さんもご自身の言動を振り返ってみて下さい。

「うつ」をもっと相談しやすく

前にも触れた通り、精神疾患に対しての偏見をなくし、発症しても気軽に相談出来、予防や治療について当たり前のように話題に出来る世の中を作っていけたらいいなと強く考えて、「明るい精神科」を目指しています。

私が考えるまでもなく、精神科に相談しやすくなるような世の中にしようという取り組みは行われてきました。

だいぶ前にはなりますが、「うつは心の風邪」という言葉でうつ病の啓蒙が行われたことがあります。実際のうつ病は風邪よりもはるかに治療が難しいものだ、という反発が大きく、今ではあまり聞かれなくなりました。風邪というよりも治療がなかなかうまく行かない重度の肺炎という感じでもあります。ただ、いきなり肺炎になることはなく風邪の症状が出て徐々に悪化するように、うつについてもいきなり重くなることは少なく、その手前で何かしらのサインが出ていることが多いです。

私の場合は、ほぼ毎回吐き気と食欲低下、倦怠感がまずありました。おかしいと思いつつ我慢していて、大きく調子を崩してしまいました。

うつ症状が重くなって仕事が出来なくなって、やっと本人も周りも気付いて、「どうしよう。」と慌てることが多いです。そこまで重くなってから対処をしようとしても、うまく行かないことの方が多くなります。

そうなるずっと前に、「心が風邪を引きそう。」という段階で気付き、相談出来ることで「うつ」の悪化を防ぐことが出来ます。

「うつ」を怖いもの、隠すべきものと考えて遠ざけるのではなく、誰もがなり得る身近なものと認識することで、「うつ」のサインを自覚しやすかったり周囲に気付かれやすかったり、相談しやすくなります。

そのためにはまず、「うつ」をより分かりやすく、かつ重さを感じないようにとらえ直すことが必要だと思い、7つのタイプに分類してみました。

「何だ、このネーミングは!精神疾患をバカにしているのか?」と怒る方もおられると思います。批判は覚悟しつつも、少しでも日常会話の中で口にしやすい言葉を考えてみました。

【7つのタイプ】

①ヘビーストレス(ステップダウン)型

誰もがなり得る最も多いケースです。ストレスが徐々に積み重なって、誰が見ても耐えられそうもない重さとなって押しつぶされるケースです。

②まじめストイック型

やり出すと時間を忘れて集中し、完璧を目指すがゆえに、ふと躓いた時や大きなヤマを越えた時に燃え尽きてしまうケースです。

③サドン・ダウン型

「え?あの人がうつに?」と言われるのがこのケースです。

もともとメンタルが強いと本人も周囲も自覚していて、周囲からは信頼され、その信頼に応えるよう本人は仕事を引き受けて、周りも頼みやすいので頼みすぎて、ある時急に潰れてしまう、そんなタイプです。①と似ていますが、徐々にうつになる①と比べて、予兆が見えず本人も周囲も気付きにくいので注意が必要です。

④ロンリー・トンガリー型

自我が強く、いつでも誰に対しても我が道を貫く、軋轢を恐れない強気姿勢で常にいたのに、その自我、自信がふとしたことで揺らいだ時に、一気にうつに突入してしまうケースです。

周りとのあつれきが大きく孤立してしまい、居心地の悪さや自分を分かってもらえないつらさから調子を崩します。

⑤耐えて笑って型

相手を立てるがゆえに、全体の調和を守るために、いつも顔で笑って心で泣いて、自分を押し殺して、その先に受容限度を超えてある日ポキリと折れてしまうケースです。

⑥ドキドキ顔色うかがい型

不安が強くいつも緊張し、ちょっとしたことで落ち込みやすい性格で、相手の心理を必要以上に過敏に感じ取って、妄想レベルの想像をして不安に押しつぶされてしまうケースです。

⑦ライトうつ型

嫌なこと、責任がかかることには過敏に反応して落ち込んで潰れやすい一方で、ストレスの少ない環境ではのびのびと元気に動ける、そんなタイプのうつです。「新型うつ」「現代型うつ」という名前で問題になったのがこのタイプですね。

一見、本当に調子が悪いのかどうか、周囲から判断するのが難しい場合もありえます。

「仕事では調子悪そうなのに遊ぶ時には元気だな。」、「休職中なのに旅行には行けるんだな。」と周囲から非難を受けやすいですね。

複数のタイプを併せ持った「うつ」も存在します。

診断や治療には産業医や精神科医の診察が必要ではありますが、タイプ分けを理解しておくことで、周囲や本人がうつを身近に感じて受け止めやすくなります。また、周囲としても統一した見解や対応方法を共有しやすくなります。

この対処をどのようにするかは次回に説明しますね。

医療の現場からレポート⑪

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

久しぶりに髪の毛を切ってもらいました!

昨年12月に髪の毛を切ってもらって(時間がないので1000円カットで)、今年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大のリスクを減らすため自分で髪の毛を切っておりました。

美容室、理容室がダメだというのではなく、あくまでも私の自己判断での行動です。

自分で雑にやっているのでガタガタになっていましたし、後ろは特に見えないのでめちゃくちゃで、とにかくうっとうしい長さにならなければいいや!という感覚で切っておりました。

床に髪の毛をまき散らさないように注意して、掃除機もかけたのですが・・・スタッフから「床に髪の毛が散乱している!」と指摘され(笑)。自分の掃除の甘さを反省しました・・・。

今回、非常勤の仕事で電車に乗って移動することとなり、途中駅で時間があったので1000円カットのお店の前を通ったところ、誰もいない!!

急いで入って、7カ月ぶりに自分以外の方に髪の毛を切って頂くことが出来ました。

だいぶ疲れた顔ですね・・

自宅にはまだ帰っておりません

自宅が都内にあり通勤時間が長いため、感染拡大リスクを減らすために北本にて寝泊まりをするようになって3カ月が経過しました。

先ほどと同様、電車に絶対乗ってはいけないというのではなく、あくまでも私の自己判断での行動です。

比較的体力がある私はウイルス感染をしても無症状もしくは軽症で済んでしまうかもしれませんが、私と接触をした方は感染すると重症化するかもしれません。命を落とすかもしれません。

また、私が感染していることが分かれば、診療がストップしてしまい非常に多くの方に迷惑が掛かります。

私がこうしているから皆もこうしなきゃいけない!と私の行動を皆さんに押し付けるつもりはありません。

繰り返しますが、あくまでも私の自己判断での自主規制です。

どこまで規制したらいいのか、正解はないですし終わりもないので迷いますね。

迷って考えが煮詰まった時には、ランニングをして切り替えています。現実逃避、とも言いますが(笑)

2年前の写真

診察では何をしてくれるの?

診察で話したいことを頑張って伝えたら、精神科医が必要な情報を追加で質問したり、表情や声のトーン、仕草などから読み取った情報から診断や今後の治療の進め方を決めます。

1回の診察では診断がつかず、何度も診察を重ねて、その間に病状も変化していく中でやっと診断がつく場合もあります。

そういうこともあるので、1回で全部を伝えきれなくても落ち込む必要はありません。何度も診察していく中で段々話していこう、と長い目で考えて良いですよ。

何度か診察を受ける中で、「あれ、何か話しがかみ合っていないな。」「毎回テキトーに流されているな。」「症状を言うと説明もなく薬が増えるだけで深い話しが出来そうもないな。」

と不安感や不信感を持つことがあるでしょう。

そのような不安感や不信感を心の中に閉まったままだと、診察を重ねても良い治療にならないことが多いです。不安感や不信感を精神科医に感情的にぶつけても話しがまとまらなくなってしまい、うまく伝わらないことが多いので、なるべく伝えることを整理してた上で、不安な気持ち、不信感を伝えてみましょう。

不安、不信は我慢せず、内容を整理した上で伝える

そうやって精神科医と患者さんがうまく意思疎通を図ることが出来るようになることも多いです。

不安感や不信感を穏やかに伝えたにもかかわらず、それで医師が不機嫌になったり、医師の姿勢が変わらないようでしたら、医師を変える、病院を変えることも考えて良いと思います。

診察でどのようなことをするかは精神科医によって変わりますが、一般的には現在の困っている症状をどう改善するか、再発しないためにはどうすれば良いかがテーマとなることが多いです。現時点で減らせるストレスはないか、調子を崩しやすい考え方、過ごし方をしていないかを一緒に考えます。

その中で、多くの精神科医は「向精神薬」といわれる薬を処方します。

メンタルの不調が脳の神経細胞の問題に由来するという仮説に基づいて薬が処方されます。

「ストレスが原因で調子を崩したのに薬っておかしくない?こんなの飲んでも解決しないでしょ?」「怖い副作用がたくさんあるってわかっているのに薬を出されたくない。」

と不安に思う方もおられるかと思います。

確かに、薬を飲んだから全てが解決するとは私も思いません。

ただ、ストレスを受け続けたり眠れなくなったりして傷ついた脳の神経細胞は、些細なストレスでも過剰に反応しやすくなり、本来感じるストレスの販売も強く感じたり、自然には回復出来なくなることが多くなります。

そのような状態の脳の神経細胞を休ませ、ストレスを過剰に感じずその大きさの通りに受け止めることが出来るために、薬は役立つと私は考えます。

私の経験でも、うつ病で眠れなくなって死にたい気持ちが強くなった状態から脱するためには、薬の力が不可欠でした。あの時に我慢して薬を飲まなかったら、今生きてここにいないかもしれない、と考えるとぞっとします。

ただ、薬には副作用が多くありますし、また何でもかんでも薬で解決しましょうというのは違うと思います。

薬だけに頼らないためには色んなアプローチの仕方があると思いますが、私が提案するのは運動をすることです。

運動することによってストレスホルモンを消費して、ストレスが過剰になりすぎないように出来ます。また、運動することによって脳の神経細胞の肥料となるBDNFという物質が出て、脳の働きを強くしてストレスに対して崩れにくく出来ます。

どこまで回復出来るのかは個人差があります。しかし、薬を飲んでいるだけで症状が全部消えて完全に良くなるのは難しいです。

心の病気を発症する原因は一つではないので、薬を服用しつつ、病気になりやすい考え方や生活習慣を変えていくことが必要になります。

考え方、生活習慣は長年かけて築き上げたものですから、簡単には変えられませんし、根本から大きく変えることは難しいです。心の病気と上手く付き合いながら、日常生活が送れたり仕事が出来たり。その人に合った回復の目標を立てていきます。もちろん、回復のレベルを上げるために運動も活用して頂きたいと思います。

暗い夜道のランニングは目立つように(笑)

心の不調は精神科?心療内科?

唐突ですが、皆さんに質問です。心の不調を抱えた時に、何科に行きますか?

精神科!という方と、心療内科!という方がいらっしゃるのではないでしょうか?

最近は「メンタルヘルス科」「メンタルクリニック」とのみ標記している病院も増えましたが、精神科と心療内科の両方を掲げているところも多くなっていて分かりにくいですよね?

この2つの科はもちろん別物です。

精神科というのは、うつ病とか、パニック障害とか、統合失調症とか、皆さんになじみのある「心の病気」を診る科です。

一方、心療内科というのは、内科ですのであくまでも体の病気を診るところです。体の病気の中でも特に、精神的ストレスなど心の不調が症状に影響を与えているものを診る科です。高血圧、胃潰瘍、じんましん、アトピー、円形脱毛症などが例です。いわゆる「心身症」というものですね。

ここで心の病気、体の病気、と分けてはいますが、心と体はつながっていると感じることが多いです。心の病気は脳の不調で、そして脳も体の一部であるということを考えると理解はしやすいですよね。

私自身を振り返ると、うつ病の症状が悪化している時には風邪をひきやすく、風邪の症状も重症化して長引きました。うつ病だから、というよりもうつ病の症状として食欲が低下したり、眠れなかったり、運動も出来ず体力が落ちていたりということが原因なのですが。

体の調子を整えると心の調子も整いやすいということは強く実感しています。その体験が、運動で治すという私の考えにもつながっています。

心療内科、精神科の両方が並べて掲げられている場合は心の病気、心の不調が関係する体の病気両方を広く診ますよ!という意味だとお考え下さい。

精神科だけしか書いていない病院が心療内科の病気を全く診ることが出来ないのかというと、そんなことはないです。心療内科だけしか書いていない病院も、心の病気にも対応できることが多いです。

ただ、中には「精神科のことはそこまで得意ではない。」という病院もわずかにあります。

心療内科だけを掲げている病院を受診する前に「こういう症状なんですが受診してもいいでしょうか?」と聞いてみると無駄足にならずに済むかもしれませんね。でも、そんな電話するのも気が引けるし無駄足になるのが心配、ということでしたら「精神科」を掲げているところにしましょう。

ちなみに・・・当院も「心療内科・精神科」と併記しています。最初は「精神科」だけにしようと思っていたのですが、「精神科、だけでは相談しにくい!」という声を多く頂いたことから、両方掲げることとしました。

受診先が決まったとして、じゃあ精神科では何をするのでしょうか?

診察ではまず、精神科医が患者さんの話しを聞きながら診断や治療方針を決めます。

ですから、困っている症状を話して頂くのですが、精神科医は患者さんが話す内容だけでなく、表情の変化。仕草など、言葉以外の情報にも注目しています。

何を話さないといけない、という決まりはないので何を話しても大丈夫ですが、心を許して良いのか分からない相手に全部は話せませんよね。話したくても、緊張して大事なことを言い忘れることもあると思います。

1回の診察で全部を話す必要はなく、また精神科医も1回の診察だけでは判断できず診察を重ねる中で診断をしたり治療方針を決めることもあるので、医師との相性も考えつつ徐々に話していくものだと、気長に構えていてくださいね。

ただ、大事なこと、漏らさず伝えたいこともあると思います。

大事なことは紙に書く、携帯電話のメモに保存しておくなどして、それを見ながら話して下さい。大事なことがたくさんありすぎて整理がつかない、という場合にはそれを全部メモして、まずは3つだけ伝えてみましょう。

1度にあれもこれも伝えなきゃ、と混乱して結局は大事なことを伝えずに終わってしまい後悔することもあります。時間をかけて少しずつ順番に伝えていく。そう考えると落ち着いて伝えやすくなります。

何を伝えるかについては、「生活や仕事に影響が出て困っていること」という基準で選んでメモをしてくださいね。

それでも話せない場合は、メモをそのまま見せてしまっても良いかもしれません。その中でどれが大事かは、精神科医が感じ取ってくれます。

メモに書くのは文字だけとは限らず、絵や図をかいてみるのも良いですね。

完璧な患者を演じる必要はないです。まずは話せる範囲内のことだけを話し、打ち解けてきたら徐々に大事なことを話していくようにしましょう。言葉で伝えるのが難しかったら、文字や絵、図の形で伝えてみる、というのも活用してみてください。

私がこれから進む道

たまたま近隣の市で勤務をしていた関係で、それまで縁もゆかりもなかった埼玉県北本市にて2011年4月に北本心ノ診療所を開業して、今年で10年目になります。

開業の柱として私は、「地域精神科医療の窓口になること」「スポーツ選手の診療に力を入れること」の2つを掲げました。

現在は1日60人くらいの患者さんを毎日診察し、休診日には市内や近隣にも出向いて相談業務などを行い、この地域の精神科医療の窓口としてだいぶ認知されつつあるのではないかと感じています。

その一方で、診察室内で出来ることには限りがあるなとも強く感じています。

どれだけ丁寧に診察しても、当たり前ですが1日の大半の時間を診察室外で過ごします。来院する患者さんの診察をすることはもちろん大切ですが、精神疾患の予防、治療のためには診察室にこもっていては限界があるとも強く感じています。外に出てより多くの人の日常に触れていくことを心がけていきたいと思います。

また、診療所を開院する際に「スポーツ精神外来」を掲げてスポーツ選手のメンタルケアにも取り組んでいます。診療形態については試行錯誤を繰り返しましたが、通常の診療と別枠でメールにて連絡を頂いて予約するというスタイルにしています。開業してから130人以上のスポーツ選手(ジュニアから社会人、実業団、プロまで幅広く)の診療を行ってきました。

現在はスポーツ選手のメンタルケアにも注目が集まり、大分理解がされるようになったと感じる一方で、私が中学1年生の時に言われたような、「それくらい乗り越えないと。」という言葉で片付けられることもいまだに多いようです。「競技を辞めればいい。」と簡単に言われてしまうことも多いようです。つらい気持ちを改善したくて受診をしたのにそう言われてしまうと、絶望的な気持ちになりますよね。

せっかく才能があるにも関わらず精神的な不調で競技を断念する選手が多いこと、スポーツに対して否定的なイメージを強く持って辞めてしまう選手が多いことは非常にもったいないと思います。せっかく選んだスポーツですから、少しでも長く続けて欲しい、そのスポーツを好きなままでいて人生に活かして欲しい、というのが私の願いです。

スポーツ精神外来を受診する選手は皆、素晴らしい才能を持ち結果も出しているのに、それを自信に変えることが出来ず悩み、精神的な不調に陥っています。診察で話しをしていく中で、不調の今でも出来ることを探していくこと、出来ることを積み重ねていく作業を一緒にしています。

多くの選手は運動しか出来ない自分を卑下しますが、何気なくやっていること自体が実はすごいのです。

診療所で患者さんと一緒に運動をしている「院内フィットネス講座」を開催しているのですが、そこに現役スポーツ選手や元スポーツ選手を講師としてお呼びすることがあります。選手にとっては普段の練習でやっている何気ない動きであっても、私や患者さんから見ると「え?こんなにもすごいことが出来るの?!」と毎度驚いています。選手達と接して、患者さんは普段の診察では見せないような生き生きとした表情をして、院内では普段見られないような良い動きをしています。スポーツが精神疾患の治療に役立っていると実感しています。

スポーツを長く続けていると、引退した時に「社会に通用しない人間」というレッテルを貼られることがあります。

スポーツの世界で生きてきたのですから、生活スタイルや考え方の違いはあっても仕方ありませんが、スポーツに専念してきた時間は決して無駄なことではありません。競技としてやってきた動きは運動療法として精神疾患の治療や予防に活かすことが確実に出来ます。また、プレッシャーのかかる中で結果を出すための取り組みは、多くの人の参考になります。

それだけ素晴らしいことをやっているのだと自覚して、競技に取り組んで良いと考えています。

スポーツ選手のメンタルケアをしつつ、スポーツを精神疾患の予防や治療に活かすこと。私自身がスポーツをきっかけとしてうつ病を発症し、繰り返して回復する過程でたどり着いた私の役割です。

多くの方と一緒に運動を楽しみながら、皆が精神疾患を予防し、発症しても治療が可能な世の中を作っていけたらいいなと思います。

薬を正しく理解する

精神科医として17年勤務しておいて、今更「薬を正しく理解する。」というのはおかしな話しではありますが。

私は中学時代に市販の風邪薬を一気に飲んでしまったり、大学に入ってからは通院しましたが、吐き気や倦怠感の副作用が強すぎて、医師には言わず自己判断で中止しました。そして時々思いだしたように飲んでみては強い副作用でまた飲むのを中止して、ということを繰り返していました。

医師になってからようやく、薬の副作用や効果について知識として深く理解しました。私がうつ病になった時にも、今度こそ医師の処方通りに服用し、副作用についても伝えました。

しかし、知識として理解しているのと実体験では印象が全く違います。

「抗うつ薬は効果が出るまでに時間がかかる。効果が出るまでは頻回に処方を変更するのではなく、一定期間待つ必要がある。」と分かっていても、病状があまりにもツラくとてもではないけど待てませんでした。待てずに医師にお願いをして、何度か変えてもらいました。変えた結果、一時的に症状が落ち着くことはあってもまた悪化することを繰り返していました。悪化するとまた耐えられずに変更して・・・を繰り返してしまいました。

結局一番効果があったのは、最初に服用していた抗うつ薬でした。仮に抗うつ薬を最初のまま変えずに服用していたら、もっと改善が早かったのかもしれません。変えていなくても効くまでに同じくらい長い時間がかかった可能性もあるので何とも言い様はありませんが。

効果が出るまで待たなければいけないことのツラさと共に、効果が出るまでに待つことの大切さも実感しました。診療で患者さんに説明する際には、私の体験したことを強く意識しながら、実感を込めて伝えるようになりました。

また、薬の副作用が人によっては強く出ることは知識として、あるいは診療の中で知っているつもりでしたが、死にたい気持ちがより強まるような重い副作用を経験して、改めて薬の怖さを思い知りました。

私はある薬を服用して、体がムズムズしてじっとしていられない症状が出て耐えられなくなり、窓からすぐにでも飛び降りたいような気持ちになりました。飛び降りそうになりましたが、実行しようとしたその時に他の人に声をかけられたりして思いとどまりました。

その薬は決して特殊なものではなく、大きな副作用なく服用しているものでした。精神科だけではなく、内科でも割と出されるようなありふれたものです。依存性の高いものでもありません。また、服用量も決して多いわけではなく、むしろ今後もっと増やした方が効きやすいのではと思うような量でした。最初は副作用だと気付かず、うつ病の症状が悪化して死にたい気持ちが強まったのかと思いました。しかし、もしかしてと思ってその薬を中止したら、死にたい気持ちはありますがじっとしていられない、窓からすぐにでも飛び降りたい切迫感は減りました。

副作用を気にしすぎて少ない量をダラダラ服用し続けるのも実際には良くないのですが、副作用の訴えには敏感であり続けようと考えています。

精神科で扱う薬に関しては否定的な意見も多くあります。話しを聞かない医者が薬漬けにして楽をするためのもの、危険なもので飲んだら余計に悪くなる、などと言われています。

薬の処方の仕方について、私たち精神科医はまだまだ気を付けていかないといけません。必要以上に多くの薬を、「患者さんが希望するから」と言い訳して処方していないか。増やすことは積極的でも、減らせる薬があるかどうかについては充分考えていないのではないか。反省して改善する点はあります。

ただ、薬は危険だからどんな症状でも一切飲むべきではないという極端な考えには私は医師としてだけではなく一人の患者としても賛同出来ません。

合う薬があったからこそ、私のうつ病は改善し、死にたい気持ちに完全には流されずに、こうして生きていられると実感しています。今も薬は服用していますが、完全になくすと何かの拍子にまたうつ病が悪化して、今度は死にたい気持ちに抗えないかもしれません。そうならないために、いつまでなのか分かりませんが薬の服用を続けます。

ただ、副作用から命を落とす可能性も実感したので、病状が崩れない範囲で少しでも減らせる薬があれば減らしたいと考えています。

また、薬を飲んでいるから後は何も気にしなくても大丈夫、とも思いません。薬を飲むだけでは私のうつ病はコントロール出来ないと感じていました。薬を使いつつも、何かプラスαのことをしていかないとまた再発するだろうと考え、そのプラスαとして私に合うとたどり着いたのが、うつ病になるきっかけでもあったランニングでした。

医療の現場からレポート⑩

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

新型コロナ禍で自律神経失調症に?

新型コロナウイルス感染症感染拡大により発出されていた緊急事態宣言が5月末に解除されましたが、都内などで感染者数が増え、「東京アラート」という言葉がニュースになっていますね。

まだまだ新型コロナウイルス感染には注意をして生活をする必要がありそうです。

そんな中で、「うつ、自律神経失調症の方が増えている。」というニュースを目にしました。

「うつ」については、「気分が落ち込んで憂うつで、何もやる気が出なくて眠れないし食欲もなくて・・・・。」と何となくイメージできる方が多いのですが、「自律神経失調症って何?」というと分かったような分かっていないような、そんな方が多いように思います。

そもそも自律神経って何?

自律神経って一つの独立した神経のように思っていませんか?

自律神経は、「活動する時に活発になる交感神経」と「安静時に活発になる副交感神経」で構成されています。つまり、単一の神経ではないのです。

呼吸、血液の循環、体温調節、消化、排せつ、免疫など全身の機能を調節するために24時間働いています。

交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで我々の体は保たれるのですが、自律神経失調症ではこのバランスが崩れています。

自律神経失調症の症状は?

ふらつき、動悸、発汗、息苦しさ、のぼせ、冷え、頭痛、耳鳴り、便秘、下痢、生理不順、吐き気、胃痛、頻尿・・・・・

症状を挙げるときりがなくなってしまいますが、全身の器官をコントロールしているので人によって様々な症状が現れます。

ついでに言うと、「自律神経失調症」は一つの疾患名というよりは、「交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態となって起きる症状」の集まりのことです。

不規則な生活、新型コロナ禍のような大きなストレスがきっかけで一過性に起こる場合と、うつ病やパニック障害などの症状の一つとして起きる場合などがあります。

私たちが出来る対策は?

うつ病やパニック障害の症状として起きる場合は、その治療をすると自然に治まることも多いです。薬を飲んだり、カウンセリングを受けたり、動けそうなら少しずつ運動もしたり。

新型コロナ禍のような大きなストレスが原因の場合、中々避けるのが難しいですよね。前もって準備のしようがないですし、ストレスから逃れることも不可能ですから。

予防するためには極力規則正しい生活をして、しっかり運動をしましょう!

結局運動って言いたいだけだろうって?

バレましたか・・・

室内で出来る運動をぜひ一緒にやりましょう!

心の病気の伝え方

心の病気は一般的には「脳の神経伝達物質の不具合」「脳内のBDNFの減少」などと説明されます。

親が心の病気だと子供も必ずなるのではないか、親の育て方が悪いから心の病気になった、ストレスがあるから心の病気になるんだろう、などと言われますが、実際のところは分かっていないことも多いです。

同じ遺伝情報を持つ一卵性双生児でも片方だけが心の病気になることもありますから、遺伝だけで決まるものではなさそうです。

同じ環境で同じように育っても、心の病気になる人とならない人がいるので、環境だけで決まるものでもなさそうです。

過度のストレスは原因になりますが、ストレスのない生活を送ることはあり得ません。

分からない中で私が漠然とイメージしているのは、心の病気になりやすい素因を持っていて、それに環境的な要因が重なって、耐えられるレベルを超えると症状が出てくるというものです。誰もが心の病気になり得ると思っています。

誰もがなり得るとしても、心の不調を他人にどうやって言葉として伝えるのか難しいなと悩むことはないですか?

体の不調だと、「熱が出ている。」「お腹が痛い。」「胃が気持ち悪い。」などと言葉で説明しやすいのですが、心の不調は伝え方が難しいと思われるかもしれません。

せっかく受診をしたのに、「こんなんでうちに来られてもねえ。」と鼻で笑われたとか、「こんなの病気じゃないんだから来るな。」と説教されたとかいう話しも聞きます。

個人的には、医師がいきなりその言い方をするのはおかしいと感じます。

心の悩みがある場合、体の症状で困って内科に行ったけど「内科じゃなくて心の問題だよ」と言われた場合には、どんな症状であっても受診してみて良いと思います。

それをいきなり笑ったり怒ったりする病院は、「そんな程度の低いところ、こっちから行ってやらないぞ!」くらいの上から目線でもいいと思っています。

医師ならばまずは困っている内容を聞いて受け止めて、それが治療の必要がないものであれば、心配しないで大丈夫ですよと柔らかく伝えるべきではないでしょうか。

最初から受診の基準が分かる人なんていないですよね。それを怒ったり笑ったりするようなところはこちらから見限りましょう。

でも、そうはいっても、せっかく緊張して行ったのに、怒られたり鼻で笑われたりして平気でいられる人はまずいないです。

私が中学1年生の時に、心の不調から吐き気が強くなって走れなくなり、倒れたことがあります。その時に、病院で何をどう説明したら良いのか、途方に暮れました。黙って何も言えない私の代わりに親が説明してくれたのですが、「走ることがプレッシャーになって気持ち悪くなってしまう。」というような説明でした。それに対して医師は、「それは病気じゃないよ。スポーツやるんだったらそれくらい乗り越えないと。」と怒るのみで、私のつらい思いは伝わりませんでした。

うまく伝わらない・・・・・

そんな経験があるので、どうやったら伝わるのかというのは悩む方の気持ちは理解できているつもりです。

私が皆さんにお教えしたいのは、「生活、仕事にどのような影響が出て困っているかを医師に伝えてみましょう。」です。

例えば、「夜寝ようとしても眠れなくて、仕事に行ってもずっと頭の中がぼんやりして、一応仕事はしているけどうまくできている気がしない。」

「胸が苦しくて。じっとしていられないくらいの感覚になって動き回らずにはいられなくて。すべてのことに集中できない。」

「朝だるくて、起きないといけないのに起き上がることが出来なくて、だらしがないと親に怒られて言い合いになる。」など。

もちろんこれだけで診断はつきません。しかし、このように「生活や仕事に影響が出て困っている」ことを話して頂くと、我々精神科医は患者さんが実際に困っている様子を思い浮かべながら、さらにお話しを引き出していくことが出来ます。診断や治療の進め方を考えていくことが出来ます。

何をどう話したら良いのか分からない場合には、「生活や仕事に影響が出て困っていること」から順番に話すようにしてみてください。

この「生活や仕事に影響が出て困っている」という基準はとても大切です。これは実際にあった話しですが、ある方がこのようにおっしゃっていました。

「仕事に行くのが苦痛で朝起きられなかったらうつ病だ。って記事を見たけど。それって誰でもあるよね?俺も朝起きるの面倒だな。仕事に行きたくないな、って布団の中でしばらく葛藤するよ。じゃあ、俺もうつ病だな。」

これでは、うつ病は怠け者だと誤解されてしまいますね。うつ病の場合は、気分が落ち込む、やる気が出ない、眠れないなどの症状があって、仕事や生活に大きな支障が出てしまいます。このように、影響が出て困っているかどうかは、病院に行くべきかどうかを決める基準になります。

「ネットでうつ病の簡単なチェックがあって、試しにやってみたらうつ病で受診が必要と出たけど、別に自覚ないんだけど。」という話しも度々耳にします。

「うつ病チェックをやってみてうつ病と出たから、別に困っていないけど受診する」のではなく、「症状が出てつらくて困っていて、かつうつ病チェックをやってみたらうつ病と出たから受診する」と考えてください。

「最近眠れない日があるけど、いつもじゃないし昼間眠くもないし元気だしな。」だと受診を急ぐ必要はないけど、「眠れなくて昼間もぼうっとしてやる気が出なくて、何もできず寝ていることが増えたな。」だと受診を積極的に考える。

この違いが理解できたら、受診の基準についてはご自身の判断を信じて大丈夫ですよ。