医療の現場からレポート⑤

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

誰もが余裕のない状況

新型コロナウイルス感染症拡大が依然として続き、5月6日までの期間で出されている緊急事態宣言も1ヶ月程度延長される見込みです(令和2年5月2日時点)。

経済的にも精神的にも非常に苦しい状況が続きます。

新型コロナウイルス感染症については、感染しても無症状で経過する方が多い一方で、発症すると急激に重篤化し命を落とす方も少なからずおられます。高齢者や基礎疾患がある方が重篤化しやすいとされるものの、若い方でも新型コロナウイルス感染症で重篤化して命を落とす例もあり、若いから安心だとは断言出来ないですね。

症状はないけど自分が感染していると仮定して、自制をして行動することがやはり求められます。

とはいえ、いつまで続くのか分からない、いつ発症して重症化するのか分からない不安は大きなストレスです。

運動は積極的に

ストレスがかかり続けると免疫力は低下します。そうすると感染症にかかりやすくなることが知られています。また、活動量が落ちることも精神的な不調の原因となります。ですので、心身の健康維持や感染症発症予防のためには運動は積極的に行って良いと考えています。

その一方で、ランニングに関して気になるニュースやSNS上の議論を目にすることが多くなりました。

それは、マスクやBuffで口を覆って、ランニングエチケットを守りましょうというものです。ランニングをする時に吐く息が広く拡散して感染を拡大するため、感染防止の対策をして走りに行きましょうというものです。

山中伸弥教授がマスクやBuffの使用を「ランニング時のエチケット」として提唱したことで、着用が一気に広まりました。

これについて少し細かく考えてみました。

ランニングの際、感染拡大防止のために気を付けたいこと

色んな議論が巻き起こって収拾がつかないことも多いのですが、感染症の専門家の話しを聞くと、感染拡大防止のために一番大事なのは人と人との距離を充分に確保することです。Social Distanceという言葉も今回の新型コロナウイルス感染症の影響で広く知られるようになりましたね。

ランニングに関して言えば、一人で走るようにする、周りに人がいない場所や時間帯を選んで走る、ということがまず大事になります。誰もいない場所でずっと誰とも会わないまま走れるとしたら、マスクやBuffで口や鼻を覆う必要はないでしょう。

ただ、どうしても人のいる場所を通ってのランニングをするしかない場合、近い距離で人とすれ違わざるを得ない時にはマスクやBuffで口や鼻を覆う、さらにはその手前からスピードを落として息が荒くならないようにする、ということは必要かと思います。

歩行者とすれ違う、歩行者と追い越す場合、ランナーはスピードを上げていないつもりでも、至近距離で自転車とすれ違うような恐怖を歩行者に感じさせることがあります。それに感染拡大の恐怖も加わると、「ランニングは危ないから禁止して欲しい。」と言いたくなる人の気持ちも理解出来ます。

マスク、Buffがあれば大丈夫?

ここで気をつけないといけないのが、マスク、Buffをしてランニングをいるから安心、安全と油断してしまうことです。

ランニングをして濡れているマスクやBuffを、無意識のうちに手で触っていないでしょうか?もし自分が感染しているとしたら、汚染されたマスク、Buffを触った手も感染源となります。例えば手を洗わないまま自動販売機で飲物を買ったら、押しボタン式の信号機を押したら、また他人が触りそうなところを触れてしまったら、感染拡大を助長してしまいます。

Buffを外す時に汚染した部分が顔に触れて顔が汚染され、顔を触った手で・・・・これも感染拡大を助長しますね。

また、マスクやBuffをしているからSocial Distanceを気にしないで良いかというと、そうではなくてやはり他人と充分な距離を確保することは必要です。

現在北本にて生活している私は、走る時間が主に深夜ということもあり人とすれ違うことはあまりないです。とはいえ念のためにBuffをつけたまま走っているのですが。

これから気温上昇が続くと、マスクやBuffをつけたままランニングをして熱中症で倒れる方が増えるのではないかとも心配しています。マスクやBuffを何のために、どのようにつけて走るのが良いのかを考えながら、健康的に走りたいですね。

サングラスにBuffを装着するとこのような姿になり、これはこれで不安や恐怖の対象となりそうな気がします。。。