医療の現場からレポート③

心の運動療法家、岡本浩之です。

精神科クリニックで診療をしていて感じたこと、思っていることを「医療の現場からレポート」と(大げさに)題してお伝えしていきます。

地域精神科医療の窓口として

2011年4月に北本心ノ診療所を開院しました。私が開業医の道に進むと決めた時、開業の柱を2つ決めました。

1つは、心の運動療法家の活動にもつながっていますが、「アスリートのメンタルケアをする」ことです。

そしてもう1つは、「地域精神科医療の窓口として機能する」ことです。

私は精神科医になってから、大学病院、民間の精神科病院、精神科救急専門病院、公的病院、精神科クリニックに勤務してきました。

地域の精神科医療の流れを考えた時に、まず窓口となるのが精神科クリニックです。クリニックでの対応が難しい、入院が必要、といった場合に患者さんの病状に応じて適切な医療機関に紹介され、治療を受けて、また地域の精神科クリニックに戻って来る。この流れがスムーズであるためには、窓口である精神科クリニックが役割を果たすことが大切だと感じました。

理想と現実の違いに悩むこともあります。「地域医療の窓口としての役割を充分果たしています!」と豪語出来るほどではないとしても、地域精神科医療の流れをスムーズにすることもある程度は出来ているのではないかと自負しています。

開業した後も北本市やその周辺での相談業務などを非常勤で行っていることもあり、開業してから9年の間で、診療所が地域精神科医療の窓口として認知されてきたと感じることが多いです。

窓口に立ってばかりいると見えないこと

地域精神科医療の窓口として診療所での診療を続けて行く中で、窓口を通過してからの精神科医療の流れが見えにくくなって来たことにふと気付きました。

診療所以外の病院にも勤務経験があり、地域精神科医療の流れは一通り理解したつもりですが、その流れは常に一定ではありません。私が理解しているのは古い流れのままで、しかもどれだけ正確に覚えているつもりでも記憶は風化します。今の地域精神科医療の流れ全体を把握するためには、診療所での診療だけではダメだと思うようになりました。

そのために、現在私は月に何度か、入院施設のある複数の精神科病院での当直業務を日曜や祝日に行っています。

診療所で週5日診療をして、1日は地域の相談業務や都内での面談を行い、残りの1日で当直をするので月の休みはほとんどなくなってしまいますが・・・

忙しくて大変だと思うことはありますが、入院施設のある精神科病院での当直によって入院治療の現状を把握することが出来るのは、その大変さを充分に補うものと感じています。

診療所での診療は続けつつ、調子を崩さない範囲で当直業務にも参加したいと思います。

新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染は収束するどころか、依然として感染拡大が続いています。

病院がクラスターになる事例も多く、「精神科だから感染症関係ないでしょ?」なんてことはなくて、皆対策に神経を使っています。

私たち医療関係者から拡大する可能性、また患者さんの新規入院、外出や外泊、外来通院、ご家族の面会からウイルス感染が広がる可能性を考えないといけません。

どこまで対策をすれば良いのか手探りの部分は多々ありますが、情報収集をしながらより適した対応が出来るように心がけています。

また、私は精神科医ですが、休日当番医として内科系の疾患も診察することがあります。差配する立場ではないので個人的な意見ですが・・・地域での医師の配置を考えると、新型コロナウイルス感染症の治療に対応す専門病院を作り、開業医も含めて地域の医師が交代で勤務し、私もそこに関わっていく必要が出てくるのかもしれません。

もちろん、精神科医が感染症の治療に急に関わっても足手まといなので、しっかり研修を受けつつ。

体力を落とさないようにしながら、今後のことを考えていきます。