西野泰広 (にしの やすひろ)
ソニー株式会社のサービス部門に入社し、製品のアフターサービス業務(コンスーマ製品のアフターサービス業務に19年間従事)。中国上海に3年間赴任(中国国内のサービスネットワークの構築とディーラーサービスの強化に従事)。日本国内のマーケティング部門(CS部門でレピュテーション低下を防ぐ業務に9年間従事)など約31年間に渡り勤務。 退社までの9年間、企業のCSRをはじめレピュテーションに悪影響を与える事案を専属業務として従事。数多くの事案(年間約50件)に対処したことで、企業不祥事における消費者の心理や行動や変化を体験することでマーケットに対する対処の知識やノウハウを習得。 この知識とノウハウを生かし「企業不祥事の未然防止」「不祥事発現時のマーケット対応」「情報の一元化による組織力強化」「苦情・クレームの対処」などのコンサルティングをとおし経営サポートをおこなっている。
取材・講演依頼のお問い合わせは株式会社パールハーバープロダクションまでご連絡下さい。
TEL:03-5720-6626
 

レピュテーション(Reputation):

損失を被る危険度。評判リスク。風評リスク。
レピュテーションマネジメントは、企業の総体的価値(評価、評判、信用、信頼、絆)を失墜させない管理手法を指します。
このマネジメントは企業だけが必要なものではありません、著名人(政治家、執筆家、芸能人、スポーツ選手….など) も同様のブランド価値を有するため同じ手法の管理が有益です。

不祥事から貴方の会社を守ります。(企業不祥事の対処術)
レピュテーションマネジメントの専門家 (コンサルタント)
レピュテーション管理 (評価を下げない社会対応術)
リスクマネジメントの専門家 (コンサルタント)
リスクマネジメント (リスク把握から未然防止のリスク管理術)
クライシスマネジメント (危機対応管理術)
危機管理広報(謝罪会見に必須であるお詫びの法則)

「知識」がなければ「意識」は生まれない。
「意識」をしなければ「知識」は生かせない。
 知識と意識がなければ「行動」は生まれない。


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なぜ「利益優先」の価値観が生まれるのか

2018年11月30日 3:41 PM [リスクマネジメント] 

気付いていますか。
不正の多くは利益優先の「価値観」が引き起こしていることを。
これは、会社の信頼にネガティブな影響を与えるような局面においても、利益を優先した判断が下されていると言うことです。
(近年多発している大企業の不正事案を考察すれば見えてきます)
そして、これは会社に貢献しようとする思いが強ければ強い経営者ほど価値観は誤った方向に向かうのです。

 
経営者の価値観は、
過去の人生や業務の中で身に付けた “成功体験(ものの見方や考え方)” が根底にあり、これを基準に物事を判断しています。
そして、これは意思決定の重要な判断基準となり、自分にとって何が重要だと感じる優先順位になるのです。

社会人の主な価値観には下記のようなものがあります。
(a群)収入、休日、余暇、自由 … など
(b群)充実した仕事(職場)、安定した生活 … など
(c群)自己成長、やりがい、生きがい、仲間、家族 … など
(d群)会社貢献、利益 … など
(e群)地位、名誉、権威 … など
(f群)志(社会貢献 … など)
このような中から何を優先するか、その順番が価値観です。

※ よく「価値観」と「欲求」についての質問を受けますが価値観と欲求はお互いに影響を高めあう関係にあります。
欲求は、自分で満たさない限り求め続け、この満たそうとする行動に価値観が後押しするのです。


そして、価値観は心理状態(置かれている“立場、環境、状況”)によって大きく変化します。
だから経営者と従業員とでは、価値観が大きく異なるのです。
(特に上位の優先順位が異なっています)
また、個々の価値観は、複数ある価値の優先順位上位5つでほぼ形成されていると言われています。

では経営者の価値観は、どのようなものだと思われますか……

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創業者(設立者)の一般的な価値観は、
 (1)会社は人なり(人材)
 (2)顧客、商品、信頼(マーケティング)
 (3)財務、利益、危機(経営)
 (4)継続運営(サステナビリティ)
これらの価値観を総じて言えば、
「適切な経営管理の下に、従業員と顧客を大事にすることで、会社を成長させる」と言う思いです。
創業者は「ゼロ」から試行錯誤を繰り返しながら会社を成長させてきたことで、この価値観は生まれました。
そして、この思いは経営理念にも表れます。
(この状況を「創業者の価値観 = 会社の経営理念」状態と言います)


しかし、創業時の「創業者の価値観= 会社の経営理念」は、二代目・三代目… と経営者が変わるにつれ、「経営者の価値観」と「会社の経営理念」は離れて行くのです。

東芝、スバル、ニッサン、神戸製鋼、三菱マテリアル…
とても素晴らしい経営理念を掲げています。
 しかしその実態は… どうでしょうか
このことは「会社の価値観」と「経営者の価値観」が異なっている表れです。

なぜ経営者の価値観が変化したかは、部外者である私には正確に把握することは出来ませんが、おそらく上記の(d群)や(e群)の価値観が上位にあったと思われます。
なぜならd群とe群の中に、不正を最も引き寄せやすい「利益」などの要因があるからです。


「利益」はなぜ不正を引き寄せやすいのか
それは、利益は「目的」になりやすいからです。

(1)「志(こころざし)」を目的とした事業活動
  ※ 志とは会社の経営理念です。
(2)「利益」を目的とした事業活動

(1)と(2)の事業活動では何が大きく違うと思われますか。
この主要となる答は三つ上げられます。
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一つ目は、“経営管理” に大きな違いがあります。
(1)は、目標に対する進捗の数値化が出来ないため管理が困難です。そのために高度なプロセス管理が求められます。
(2)は、目標の進捗が数字で確認できるため管理が容易です。

二つ目は、“判断基準” が大きく異なります。
(1)は、「志」が目的であるため “行動や判断に対して” 常に「志に対して反していないか」判断が求められますので管理に苦悩します。
(2)は、利益が “大きい、小さい” が判断基準となりますので判断は比較的容易に行えます。

三つ目は、“達成感と共感” が大きく異なります。
(1)は、目標が無形であるため、常に向上心が求められます。達成感は得られませんが、社会からの共感は得られます。
(2)は、大きな達成感が得られます。しかし社会からの共感は得られません。

▶「利益」を目的とした事業活動は、
・管理と判断が容易で、達成感が得やすいのです。
だから卓越した能力を持たなくても経営が容易です。
 (経営管理が楽なのです)


ほんらい利益は、事業活動を行った結果として生まれるものです。
求められる利益が出ないのは、その事業活動のプロセスに原因があるはずです。
そして、その原因の「真因の究明と排除」が出来なければ、利益は生まれません。このプロセス管理には時間と労力が伴います。

ここに不正につながる「動機が生まれる」のです。
(不正を起こす「本質」は、ここに隠れています)


前置きが長くなりましたがここからが本論です。
前述の、
(1)「志(こころざし)」を目的とした事業活動
(2)「利益」を目的とした事業活動
経営を行う上では(1)(2)のどちらも誤りではありません。
時には(2)の行動も必要です。

知って頂きたいのは、“(2)は不正を起こしやすい” と言うことです。
だから(2)を行う場合は、業務監視の機能強化が欠かせません。

機能強化は、
・業務執行と監督の機能を分離し独立させるなどの、仕組みの強化
・経営者と直接の利害関係のない独立した監査部門の設置など
社外取締役の導入
 (社内権力や利害に縛られず意見が言える有識者など)
など、監視業務のサポート機能を充実させることです。


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