西野泰広 (にしの やすひろ)
ソニー株式会社のサービス部門に入社し、製品のアフターサービス業務(コンスーマ製品のアフターサービス業務に19年間従事)。中国上海に3年間赴任(中国国内のサービスネットワークの構築とディーラーサービスの強化に従事)。日本国内のマーケティング部門(CS部門でレピュテーション低下を防ぐ業務に9年間従事)など約31年間に渡り勤務。 退社までの9年間、企業のCSRをはじめレピュテーションに悪影響を与える事案を専属業務として従事。数多くの事案(年間約50件)に対処したことで、企業不祥事における消費者の心理や行動や変化を体験することでマーケットに対する対処の知識やノウハウを習得。 この知識とノウハウを生かし「企業不祥事の未然防止」「不祥事発現時のマーケット対応」「情報の一元化による組織力強化」「苦情・クレームの対処」などのコンサルティングをとおし経営サポートをおこなっている。
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    レピュテーション(Reputation):

    損失を被る危険度。評判リスク。風評リスク。
    レピュテーションマネジメントは、企業の総体的価値(評価、評判、信用、信頼、絆)を失墜させない管理手法を指します。
    このマネジメントは企業だけが必要なものではありません、著名人(政治家、執筆家、芸能人、スポーツ選手….など) も同様のブランド価値を有するため同じ手法の管理が有益です。

    不祥事から貴方の会社を守ります。(企業不祥事の対処術)
    レピュテーションマネジメントの専門家 (コンサルタント)
    レピュテーション管理 (評価を下げない社会対応術)
    リスクマネジメントの専門家 (コンサルタント)
    リスクマネジメント (リスク把握から未然防止のリスク管理術)
    クライシスマネジメント (危機対応管理術)
    危機管理広報(謝罪会見に必須であるお詫びの法則)

    「知識」がなければ「意識」は生まれない。
    「意識」をしなければ「知識」は生かせない。
     知識と意識がなければ「行動」は生まれない。


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    不正を起こした大企業の裏側

    2017年11月27日 6:45 PM [レピュテーションマネジメント] 

    リスクマネジメントの専門家 
    三菱マテリアル、スバル、神戸製鋼所、日産自動車、スズキ、三菱自動車、タカタ…
    近年、日本を代表する製造業の不正が後を絶ちません。

    これらは「組織的」に長期間行われていた不正です。
    なぜこのような事態になったのでしょうか。
    今回は、このような不正が起こる力学(構図)についてお伝えします。

    日本経済の黄金期であった1980年代は Japan as No.1と言われ、勤勉な日本人の資質から生まれる高品質な製品は世界から高い評価を受けました。

    それから30年が経過した今、製造業の不正の裏側でいったい何が起こっているのでしょうか。
    それは業績の悪化に大きく関係しています。

    バブル経済で沸いた1980年代が終わり、その後の20年間は “失われた20年” とも呼ばれる低迷期と、2008年には追い打ちをかけるようにリーマン・ショックが訪れ世界市場は急激に縮小しました。

    更に日本は急激な円高(1ドル105円から80円)に見舞われ、輸出比率が高い製造業の業績は更に悪化しました。
    (当然ですが下請け企業の業績も悪化し日本経済は大不況に陥りました。)

    この長期にわたる業績の悪化が経営者の価値観を変えることになったのです。
    長期的な視野から、目先の収益を重視する価値観に変わったのです。

    そして販売低下による利益の減少に対し、企業はコスト削減でこの危機を乗り切る決断をしました。


    コスト削減による業績の回復は劇薬
    コスト削減は抗生物質と同じで一時的であれば良薬となりますが、長期服用は弊害を生みだします。人であれば免疫力の低下です。
    コスト削減の代表的な弊害は、人員削減で起こる優秀な人材の流出です。

    このしわ寄せが経営管理の質低下となって表れました。
    (A)人を管理する能力低下
    (B)製品の質と工程管理の能力低下
    は顕著です。

    更に労働環境の変貌に伴い、経営者のみならず従業員の価値観も変わりました。
    (C)終身雇用から非正規社員へ
    ・雇用調整が容易な期間労働者(契約社員)の増加による帰属意識の低下。
    (D)年功序列の給与体系から成果主義へ
    ・協調性の低下に伴う組織力の弱体。
    (E)物作り市場の共存共栄関係の壊滅
    ・優位事業者(販売側や発注側)の利己主義の台頭。
    (F)モノ言う株主
    ・株価や配当を重視する経営体質に変化。

    これらは、目先の収益を重視する経営方針が生んだ産物で、物作り日本を弱体化させた要因です。

    不正もこの経営方針の延長線上にあり、免疫力(倫理観)が低下したことで自浄作用が機能しなくなったのです。
    “ガバナンスが機能しない” だから組織的な不正が起こるのです。

    長期に渡り不正を行っていた企業を推考してみてください。
    ガバナンスが機能していたと思えますか。

    そして、ガバナンスが機能していない企業の物作り。
    どのような製品が生まれるのでしょうか… 

    これらは、収益の回復を「生産性向上」ではなく、安易なコスト削減で行ったことで(A)~(D)が起こりガバナンスを失い、「不正」までも生みだしました。
    この不正は “目先の収益を重視する経営” の延長線上にあるのです。

    「実力に見合う収益」これが正常な考えで、“実力以上の収益を求めれば” 多くの個所に歪が生じます。
    その歪に対し新たな管理が必要になりますが、その人材がコスト削減でいません。だから(A)(B)の状況が生まれるのです。


    <余談になりますが>
    物作りにおいて、“コスト削減を命じられた場合” 最初に行うのは何だと思われますか。

    それは、見た目も機能も変わらないし違法な行為でもありませんが、ある部分が極端に低下しています。
    (これまでの日本製品には、この優位性が有ったのですが… )
     …
     …

    この答は「安心」です。
    安心に対するマージンが極端に少なくなっています。
    (製造設計でのマージンとは余裕で、オーバースペックと同義語です。)
    オーバースペックは過剰コストであり無駄と言われ、経済の低迷期に排除されました。このため安心が低下したのです。
    (高度成長期の日本製品は「安全+安心」で、設計者の誇りでした。)
    そして現在の製品はオンスペックです。

    安心とは主観的なものですが
    “一流メーカーの物は安心” と言われたように、商品の選択においては重要な要素でしたが、今はこの安心が見えません。


    安心が見えない日本製品、
    製造業の裏側を覗けば「物作り日本」の安心ではなく終焉が見えるのです。


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